ひまわり日記
監督加藤治代のひとりごと。
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旭川
旭川に行ってきました。
「neoアジア映画祭inあさひかわ」で上映していただく為です。
手作りのとても温かい映画祭でした。
映画祭の皆さん、本当にありがとうございました。

昨夜、台風の中、やっと帰ってきました。
でも映画祭は今日も、やっています。
北海道にお住まいの方、ぜひぜひおでかけください。

加藤治代 
2007 10 28 am10:50 ラーメン食べられなかった
願望
「死んじゃだめ」
とか
「死にたくなったらxxxxxに連絡」とか
書かれた紙を部屋中に張っていた女性の話を聞きました。
死にたい衝動をどうしても押さえきれない"私"と
死んではいけないと張り紙を書き続ける"私"が
ひとつの体の中で
一緒に暮らしています。
いったい体の中で何が起こっているんだろう。
本当のとこ、この壮絶な戦いの相手は誰なのだろう。


加藤治代

2007 9 14 pm 8:00
台風
佐藤さんが・・・・。

加藤治代

2007 9 7 pm4:00
ひみつの乗り物
私の伯父は、ある会社で、戦車の設計をしていました。
小さい頃、私と従兄弟は伯父に連れられて、
誰もいない大きな工場の暗い倉庫の中にある、
堅くて、黒っぽい、どでかい乗り物に乗せてもらったことがあります。
小学生になったばかりの私には、それが何なの全く理解出来ません。
ただ少なくとも、当時大好きだったコーヒーカップの形をして
くるくる回る乗り物でも、馬の形をして
くるくる回る乗り物でもなさそうでした。
動く気配も無いし、かわいくもない・・とても退屈な乗り物です。
でも車体についた私と従兄弟の小さな足跡を
伯父が必死で消しているのを見て、
このでかい乗り物が、本当は見てはいけないもの
"ひみつの乗り物"だと言う事が何となく理解出来て、
私はその事にとてもどきどきしてしまったのでした。

私が女子高生になった時、
伯父は酔っぱらう度に、会社の話を夢中になって聞かせてくれました。
私が行った事も無い国や、仕事で活躍している話は、
当時無気力な学生だった私にとって、とても魅力的に聞こえます。
ある晩、酔って上機嫌だった伯父は、
自分の作った戦車の砲弾がいかに命中率が高いかという事を、
とても誇らしそうに話していました。
遠くの標的にも、ほとんど狂いも無く
ピンポイントに当てる事ができるらしいのです。
興奮気味に話す伯父に向かって、高校生としては当然の正義感を持って
"でも、標的って人の場合もある訳でしょ?"
と、ごく当たり前の質問をしてみました。
すると伯父は、きょとんとした顔をして
「だって使わないもーん」と、言ってのけたのです。
「・・・・・」
私の方があっけにとられて、きょとんとしてしまいました。
あぁ、この人は、何となく違う
そういえば会う度いつも沢山話しをしてくれるけど、
一度だって私の事を聞こうとはしなかった。
もちろん"最近学校どう?"って聞かれても、女子高生の私はかったるい感じで
"別に・・・"くらいしか答えなかっただろうけど。
伯父の家族の話や、祖母や母の話をする事もほとんど無く、
いつでも飛ぶ鳥を落としている自分の話に終始していたんだ。
華やかな仕事の話の裏で、
彼は良い父親でも良い夫でも無い事は明白でした。
仕事や会社に全て捧げている様な人のひとりに
私には見えました。

定年退職の時、伯父の家庭は完全に壊れていました。
仕事も無く、家族からも嫌われている。
退職後の有り余る時間に、本当は何だって、いくらだって
する事が出来るはずですか、
伯父は落ちていく事を自ら進んで選んでいるみたいでした。
朝から晩まで、お酒を飲み続け、酔っぱらっては、
姪の私に「死にたい」と言います。

イラク戦争が始まってしばらくたった頃、
伯父が設計に携わっていた戦車が
自衛隊と一緒にイラクに行く事になりました。
その知らせ聞いた伯父は、声を殺して泣き始めました。
「良かった・・」と言っては
体に溜まったアルコールを全部出すように
おおきな涙が、次々と目から湧いてきます。
伯父の中で何か埋め合わせがついたのでしょう。
でも伯父の顔が涙で濡れれば濡れる程、
シューっと蒸発する音が聞こえるくらい
私の気持ちがカラカラに乾きました。
伯父の言うすばらしい・ひみつの乗り物は、
一体何なのか。
驚異的命中率を誇る砲弾は、どっちを向いているのか。
あの堅い車体の壁は、何を守る為に、
何を守らないのか。
伯父は自分の家族さえ守れなかったのに・・・。
大人になっても、全く理解できません。

嬉しくて泣いている伯父を見ているうちに、
私は、悲しくなって泣いてしまいました。
どうか彼の戦車が誰かを守る事はあっても
誰一人傷つけませんように。
やせ細ったからだを"ひみつの乗り物"に乗せて、
彼が何処へ向かっているのか、
私が一番痛い程よく知っています。
かわいそうな、私のだめな伯父さん。

誰も弾かなくなったピアノのある部屋で、
私と伯父は、並んで泣いていました。
陽にあたったたくさんの空の酒瓶が
エメラルドみたいに光っています。
伯父は、本当のところ、この酒瓶の様に
もう空っぽなんだ。
彼は泣いている私を横目で見て
"自分の戦車がイラクに行った事を
一緒に喜んでくれている"と思っているようでした。


私の映画に出てくる姪のちいちゃんは、
今年の春、中学生になりました。
かわいくてとても優しい、
私の大好きな女の子のひとりです。
彼女の将来の夢は、ロボットを作る人になる事。
テレビを見ていたら、優しさを表現する事の出来るロボットが
開発されたというニュースをやっていました。
例えば介護の場面で、人を抱きかかえる時、
極力衝撃を与えないよう制御出来るらしい・・・。
よぼよぼのおばあちゃんになった私が、
彼女のロボットに優しく抱きかかえられてる
姿を想像したりして・・・なんとなく、
企業や技術の有り様に、ちょっとほっとしたのでした。

加藤治代

2007 4 25 pm7:30 カエルが鳴き始めました
皮膚と底
表面は、柔らかい湿った皮膚みたいな弾力があって
スプーンでひとすくいした痕は、満月のでかくて白いクレーターの様。
その底が見えてしまうと、思わずふぅーとため息が出ます。
胃袋にブラックホールに続く穴が開いたみたいに、
ずっとずっと食べていたかった。
日曜日に仕事に出かけた旦那が、
夜中、恐ろしいほどうまいプリンを買ってきてくれました。
まるで悪魔の食べ物みたいですが
机の上に置かれた空の器の底は、
合板の木目の模様という、なんとも見慣れた日常的な風景。
使い捨てのスプーンを入れたら、
プリンの底から
カランとプラスチックの乾いた音がしました。

静まり返った深夜
読みかけの小説を手に取ったら、
果物の皮をむく様に、生きたまま
表面の皮膚をキレイにむかれて殺された人のお話でした。

布団の底に落ちたみたいに
怖くなって
眠れなくなってしまったので
プリンの事を考えることにしました。

加藤治代

2007 3 23 pm 9:00  明日からアップリンクだ

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